今年10月、東京メトロが株式を東京証券取引所に上場しました。これまで東京メトロの株式はほぼ国と都が保有していましたが、その半分を売り出しました。これから一般の人も東京メトロの株主になることが出来ます。当初の株式の公開価格(売り出し価格)は1株1200円でしたが、10月末の株価は1672円になっています。
株式を初めて証券取引所に上場し、一般に向けて売り出す株ことをIPO(「Initial(最初の) Public(公開の) Offering(売り物)」とか「新規公開株式」などと言います。これまで限られた人しか持てなかった株が、証券会社に口座を持っている人であれば誰でも、自由に売買できるようになります。
このIPO株の購入は、一般の株式と同様に、証券会社を通して注文しますが、購入希望者が多いため抽選になっています。1度に購入できるのは100株が目安になっており、証券会社のホームページにはIPO株売り出しのスケジュールが掲載されており、同時に注文も受け付けています。
IPO株が抽選になるほど非常に人気が高い理由は、公開価格よりも市場での初値の方が高くなるケースが多く、すぐに利益を出せる可能性が高いことです。東京メトロも公開価格よりも400円以上の高値で取引されています。多くの場合、公開価格は株の売り出しを任された証券会社が市場での需要状況を見ながら決定します。ブックビルディング方式と言います。また、通常株式購入時に必要な手数料はIPO株購入の場合は不要です。更に未上場の会社が、一定の検査を受けて証券市場に上場するので更なる成長も期待できる点なども魅力のようです。
一方、当然デメリットもあります。上述の通り簡単には購入できません。購入の可否は抽選によって決まりますが、この抽選の倍率が高く、当選が難しい点です。1度に購入できる株数も100株程度制限されます。また、IPO株も個別株を購入することに変わりありませんから、当然のことながら利益が出ず、含み損を抱えるケースもあります。
IPOは魅力的な個別株ですが、購入する場合は、このようなリスクがあることを押さえておく必要があります。ことをおさえておきましょう。
聞き慣れない投資関連の用語は沢山有ります。今後も機会を捉えて紹介していきます。
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